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2017年07月27日

北海道4days 2017 Day3

【Day3】


3日目の朝を迎えました。


昨夜は星が出ていましたが、朝は曇り。
昨日までよりいくぶん涼しい気がします。

Day3、今日は500km以上走行する予定です。


パルクフェルメが開放されるのはブリーフィングの後。
まだ入ることはできません。


今朝のスケジュールも昨日と同じ。
6:00 朝食
6:30 ブリーフィング
7:00 スタート


朝食はおにぎりとカップ味噌汁。
北4で出てくる白米はみんなおいしいです。
北海道が誇るブランド「ゆめぴりか」でしょうか。


3日目の朝イチのSS(SS4)はキャンプ地から20kmほどにある林道。
スタート直後はウォッシュアウトの轍があるものの、気持ちよく開けられる土っぽい林道でした。


このSSで阿部さんの後ろについた私。
今回何かと阿部さんの前後に並ぶ機会が多かったのですが、遅い私がSSで前に並ぶとご迷惑でしょうけれど、後ろならいいですよね^^;


見ると、阿部さんがメモをハンドル位置に貼っていたので、さっそく真似てみました。
タンクに貼ると、ネックブレースとヘルメットが邪魔をして下を向いても読めないので、重要な情報だけこの位置に。
(ちなみに@BOSSはマップケースの下にカードホルダーをぶら下げています。)

@BOSSはというと。

2010年の前大会から7年ぶりにKTM450に乗った@BOSS。
大会参加前の練習会で2度ほど林道を走りましたが、ステダンをかましてあるハンドルポジションの高さが妙に気になっていました。
スタンディングでは良いけれど、シッティング時の高すぎる違和感が解消できず、大会直前に20mmアップのハイシートを取り寄せて付けてきたものの、まだライディングの悩みが解消できずにいたそうです。

そこで、Day2のリエゾン林道で@BOSSは#27の福岡選手にお願いして後ろを走らせて頂き、福岡さんのシッティング・コーナリングから解決方法を模索。
さすが上位入賞の常連である福岡さん走りは大変参考になったそうです。

このDay3朝イチのSS3はシッティングのコーナーリングが多くなるシチュエーションで、前日の福岡さんとの走行がかなり役に立ったと喜んでいました。
福岡さん、この場を借りてお礼を申し上げます。m(_ _)m

前日の朝イチのSSでの転倒で順位を落とした950の菊地さんが、開け開けのSSで再び気を吐いて6位に再浮上、そこから1秒差で7位に篠原さん、同じく1秒差で8位@BOSSと並ぶ展開となりました。
但し、このお二人と@BOSSは総合では1分近い差があったので、いよいよ目標の総合6位が見えてきました。
(が、決して気は抜けません。)


SSを終え、次のCP開設時間までかなり時間があるようなので、みんなが羅臼手前の町でうろうろ。
お昼ごはんがどのタイミングでとれるかわからないので、とりあえずセイコーマートでエネルギーを補給。

加地さんグループはシラスさんの先導で海鮮丼屋に向かいましたが、今思えば、私たちもこれに着いて行けば「あんな事」にならずに済んだのに…。


「秘密のケンミンSHOW」でやっていた「北海道の豆パン」を探しましたが見当たらず。
タジーはみたらし団子を1パック頬張っていました。


給油も済ませて、これから知床半島へ向かいます。
知床の斜里町宇登呂は亡くなった愛犬「ウトロ」と愛猫「シャリ」の名前の由来でもあり、何度も訪れた思い出の地です。


峠に向かう途中のコマ図に温泉マークが記されています。


ここですね。「熊の湯」


「俺、入りたい。」と新井さん。
「今ここで入らないと、一生入る機会がないと思うから。」
ということで、新井さんとタジーは橋を渡って露天風呂に入ってくることに。


新井さん側から見た景色。
同じ場所でも人のカメラで撮った写真は新鮮です^^


入れ違いで温泉からあがってきた「温泉同好会(愛好会?)」の阿部さん。
つるりとゆで卵のようにさっぱりしています。
「いいお湯でしたよ!」


@BOSSと私は入らないで待っていました。
@BOSSはキャンプ地での入浴同様、リエゾン中はほとんど食事や温泉には時間を割かず、またタイムマネジメントに予想外の影響が出そうなものには近づかない傾向にあり、私はウエアや防具を脱いで再び身につけるのに手間取る時間に自信がなかったので。

「だったら僕達を待たずに、逆に先に進んでほしかったです。」
と後でタジーに言われましたが、今回の北4が最後と言っている新井さんとできるだけ一緒に時間を共有したかったのも事実なんです。
私たちが入らずに待っていることで気を使わせたらごめんなさい^^;


知床峠に到着!


何度も来ていますが、ここはガスってしまうことが多く、過去に晴れた知床峠は一度だけ。
今日はこんなにいい天気でラッキーです。(北方領土は見えませんでしたが)
ウトロ、シャリ、虹の橋の上から@BOSSと私が見えますか?


ところで今日の最後に設定されているSS(SS5)は開設時間が17:30〜19:00。
私が知る中で、北4で林道を走る場合、野生動物に遭遇する可能性が高い夕暮れ時にSSが設定されることはほとんどありませんでした。
過去には夕方6時で林道に入れる人と入れない人とで足切りが行われることもあったし。
なので、コマ図の距離を見ながら、もしかしたら今日のSSも、クローズドのモトクロスコースなのではないか、いやいや、2日連続でそれはないでしょう、などと距離と方向から予想を始める私たち。

少し空が陰って、雲が広がってきました。
そろそろCPが開設する時間なので、先へ進みましょう。


CPでは山田実行委員長自ら、冷たい水を一人ひとりに注いでくださっていて、いやはやなんとも恐縮してしまいます^^;
(箱が「焼酎」ですね、笑)


CPを出るとすぐに、ポツポツと雨が当たり始めました。
通りすがりの駐車場で急いで雨具を身に着けます。

「昼飯、どうします?」と新井さん。

夕暮れ時のSSは、早い時間のスタートと日暮れ後の暗くなってからのスタートでは、同じ選手でも10秒以上の差が出てしまうことを知っている上位入賞の常連や経験者は、迷わず開設直後の最も明るい時間にスタートできるようにリエゾンをタイムコントロールして進みます。
もちろん@BOSSも、朝のブリーフィングで17時30分SS開設と言う時間を聞いて、当たり前のようにそうすることを決めていました。

また、リエゾンが皆さんより遅い私は、少しでも前に進んでアドバンテージを稼いでおきたかったので、たぶん私も@BOSSも、一人だったら食べずに先へ進んだことでしょう。

でもせっかくチームで走っているんだし、今日は時間にまだ余裕があり、注文してすぐに出てくる蕎麦やうどんであれば問題なし、そう判断しました。

ということで「おばちゃんの家」という名の蕎麦&定食のお店へ。

「何が早くできますか?」
と聞くと、大将は丼ものが早いと言うので、全員そろってカツ丼を頼みました。
遅くとも5分か10分で出て来るであろうと予想したのですが…

カツ丼を待ちながら、
「それにしても今回の北4、ダート率が低いですよね。
今日だってあとはSSに間に合えばいいだけだし。」
という会話を聞いて(あるいは聞き違えて)、私はすっかりSSまでダートはないと思い込んでしまいました。
昨日ダートをすべて書き出したにも関わらず。
実際にはSSの前に16kmと20kmという長い長いダートがあったのに。。。


15分…20分…遅い…
奥から野菜を切る「トン。トン。トン。」という包丁の音が聞こえます。
「トントントントン」という、軽快な音ではなく、ゆっくりしたテンポで。
気になって調理場をカウンター越しに覗いてみると…
なんということでしょう。
まだ衣もついていない赤い豚肉がそこに4枚並んでいるではありませんか!Σ(・∀・|||)

これを@BOSSに報告すると、@BOSSは意を決したようで
「すみません、俺、先に行きます!」
と説明もそこそこに、代金を新井さんに託し、店を出ていきました。


@BOSSを見送るために店の外に出ると、@BOSSはヘルメットを被りながら白い車をアゴで指し「ス○○パー」と小さな声で言い残し、そのまま先へ進んで行きました。

ゲゲッ!スイーパーだっ!!!!!
ということは、私たちが最後尾なんだーーー!!!\(゚∀゚)/

店に入って新井さんとタジーに報告すると、
「本当にスイーパーですか?
でも大丈夫ですよ、今日はあと19時までにSSに入ればいいだけだから。」
もう一度外を見ると、スイーパーらしき車はいなくなっていました。
(あとから確認しましたが、間違いなくスイーパーでした。)

「それにしても@BOSSさんはどうして先に行ったんですか?」
と不思議そうな新井さん。
「@BOSSは今、6位に入れるかどうかの瀬戸際なんですよ。
だからできるだけ明るいうちに、しかもコースが荒れないうちにSSに入りたいんです。」
と説明すると、想像もしなかったという顔で、
「じゃあこの店に入ってからずっと、気が気じゃなかったんですね。
申し訳ないことをしちゃったね。」

カツ丼はまだ出てきません。
テレビでは、北見方面に大雨洪水警報が出たと発表されています。
北見ってこの辺りじゃないの?
どうする!?私も食べずに先に店を出ようか?!
第一、2人と一緒に店を出たとしても、タジーも新井さんもビッグオフで、リエゾンのスピードは私とぜんぜん違います。
もちろんダートを走るスピードも!
そう考えながらも席を立つことはできず。

新井さんも「ちょっとこれはまずいぞ」と思い始めたらしく、食べたら少しでも早く店を出れるように、支払いを先に済ませてくれました。


(※イメージです。ネット上から拾ってきましたm(_ _)m)
「お待ちどうさま」
カツ丼が出てきたのはそれからさらに数分後。
とても美味しかったけどゆっくりしていることも出来ず、ほとんどかっ込んでお店を出ました。

外は土砂降り。
タンクに貼ったメモで、この後長いダートが2本あることを思い出しました…Orz
が。
この店で時間を使うことになった我が身の選択を悔やんでも時間は戻るわけでなし。
自分の選択に責任を持って、なんとかするしかありません。

タジーは先に行ってすぐに見えなくなってしまいましたが、新井さんは私に対して「林道が苦手なかまたさんをSSに間に合うようにエスコートしなければ!」という責任を感じていたらしく、その後ずっと私を先導してくれました。

私の今日の予定では、もう少し先のコマ図に記されているスタンドで給油をするつもりでしたが、新井さんはその前に現れたスタンドに私を誘導すると、自分のカードを出して、
「とりあえずここで満タンにしましょう。また後で入れればいいから。」
本当はこの先で入れれば一度の給油でいいのですが、今ここで入れると、今日中にもう一度給油しなくてはなりません。
でも新井さんの私を思って下さる気持ちもよくわかるので、そうは言えませんでした。

1本目の16kmのダートで、新井さんはハザードを付けながら、走っては私を待ち、走っては私を待ち。

私のゴーグルはスポンジが剥がれて、つけていることができなくなり、その後はゴーグル無しで土砂降りの中を走ることに。

1本目のダートを出て間もなく、一般道で新井さんがウインカーを出して、路肩に停まりました。

「かまたさん、俺、走りながら計算してみたんだ。
でもどう見積もっても今のアベレージだと2人とも間に合わない。
俺一人なら、もしかしたら19時までにSSに間に合うかもしれない。
かまたさんはSSに間に合わなくても、21時までにキャンプ地に着けば大丈夫。
1時間のペナルティが付くだけだから。
俺はやってみたい。行ってもいいかな?」

優しい新井さんがこのことを私に告げる時、たぶん相当辛かったと思います。
新井さんの目に涙が浮かんでいるように見えたのは気のせいでしょうか。。。

新井さんの話を聞きながら、意外と落ち着いている自分がいました。
あのお店に入ったのも、2本のダートのことが頭から抜け落ちていたのも、途中で@BOSSみたいに先に店を出なかったのも、林道を走るのが遅いのも、自分が選んだことだし、自分の責任です。
だから私はこれらを自分でなんとかしなくてはなりません。
自分が今持っている、なけなしの知恵とスキルを総動員して。

新井さんに
「大丈夫です。先に行ってください。」
と言った時、私は不服そうな顔をしていたと新井さんは後から言いましたが、でもそれは新井さんの心が私をそう見せただけで決して不服とは思っておらず、私の覚悟は決まっていました。
この時私は、

「キタキター!
これから本当のラリーが始まるんだ!」

と思っていたのです。
7年前の私が見たらびっくりしたことでしょう。

私が今年に入っていろんなイベントで感じてきたこと。
それは
「心が前を向いていると何でもできる」
ということ。

出発した新井さんの背中を見送りながら考えました。

新井さんが『絶対に間に合わない』と言ったその計算は本当に合っているのか?
見積もり違いじゃないか?
私には本当にできないのか?
@BOSSは常々、『情報に惑わされず、真実を見抜け』と言うけれど、真実はなんだ?
それに私はどうしても今日の最後のSSを走りたい!
(←知床峠での会話で、今日のSSもすっかりMXコースと思いこんでいる私。)
第一、このままだときっと新井さんが後悔する。
よし!なんとかできる!なんとかしよう!

今日の私のミッションは21時のゴールじゃない!
19時までにSSに入って、SSを走ってペナルティ無しでゴールすることだ!
そしてその姿を新井さんに見せて喜んでもらうんだ!

そう覚悟を決めて土砂降りの中を走り始めました。

しばらく進むと、このラリーで知り合った#37林さんが、街角で一人で停まっていました。
決して遅くない人なのに、こんなところでなぜ?
声をかけると、ゴーグルがだめになった友人を先導していたそうなのですが、スイーパーが付いたので、任せて先に行くことにしたのだそう。

「この先の林道、ついて走ってもいいですか?
私を待たなくていいです。私が勝手について行きますから。」
「いいですよ。焦らないで行きましょう。」

林さんの林道でのペースはとても走りやすく、途中でついていけなくなってはしまったけれど、かなり引っ張って頂けたと思います。
この場を借りてお礼を言います。ありがとう、林さん!


再び一人になって走り、無事林道を終えて、次は約80kmの高速です。
でも高速に乗る前に給油しないとガス欠になる可能性大。
時間はぎりぎり。
どうする!?当て所なくスタンドを探すか?
それとも高速に乗って行けるところまで先に進むか?

するとさらに2人の方が、後ろから私を抜いて高速へ向かっていきました。
よし、乗ろう!

すると。

高速に乗って20km地点でリザーブになりました。早っ!Σ(・∀・|||)
予測よりもずっと早いリザーブでした。
普通リザーブで50kmくらいは走ると聞くけれど、実際にテストで測ってみたことはありません。
やばい!動けなくなる前になんとかしなくては!
田舎には農機具用のガソリンを常備している家があるはず。
この田んぼの多い町ならそういう家があるかも!

そう判断して、オンルートから外れ「白滝」というインターを降りることにしました。
「32.57」というICOの数字だけは覚えて。
(これがわからなくなると、高速に復帰した時オンルートに戻れなくなるので。)

降りるとそこは、静かで閑散とした田舎町でした。
探し回るほどのガソリンも保証されていません。
さあ、次はどうする!?

とそこへ、帽子をかぶったお父さんが向こうから歩いてきました。
ここで声をかける相手を間違えると間違った情報を与えられて自滅するかもしれないことだけ気をつけて、
「あの、地元の方ですか?」
「そうだよ。」
「このあたりでガソリンスタンドはありませんか?」
「少し先にあるけど、今日は休みなんだよね〜」
簡単に事情を説明すると、
「よし、おれがそこの知り合いの家に聞いてみてやるよ。」


2軒ほど先の家に入り、お父さんから事情を説明してもらうと、その家の方が奥から一升瓶と灯油ポンプを持って来られました。
「一升瓶かい!?」
「洗ったから大丈夫だぁ。」
てっきりガソリンタンクがあるものと思ったら、


ご自宅の乗用車から抜こうとしてくださいます。Σ( ̄⊥ ̄lll)
いやいや、灯油用のポンプでそれは無理でしょう。。。

「そうだ!今日は休みのはずだけど、○○モービルに電話かけてみるか?」
近いんですか?
「すぐそこを曲がって100m位先だから。いれば入れてくれるかも。」
104で電話番号を調べて、電話をかけてくださっているようす。
「開けて待っててくれるってよ!すぐ行きな!」
うわーん、ありがとうございます〜(TωT)

「もうドジしちゃだめだぞ。気をつけて行きな。」
見送ってくださるお二人に何度もお礼を言いながら、涙が出そうでした。


そして本日休業日だったにも関わらず入れてくださった地元のガソリンスタンドのおじさん。
本当に本当に本当にありがとうございました!(TωT)

これでもうガソリンの心配はありません。
もう一度「白滝インター」から高速に乗って、ICOの数字を合わせて、あと60km先へGO!
どんなスピードで走ったかって?
聞かないでください。
自分がこんなスピードでセローに乗れるなんて知らなかったです。(TωT)

あと15分!あと10分!!
コマ図に従ってインターを降り、SSまであと1つというコマ図にたどり着いた時に無情にも19時になりました。
その分岐点でSSERのオフィシャルが手招きしています。
もうSSは終わったから、そのままゴールへ行きなさいってことかな。。。
と思ったら、


「ここのコマ図が少しわかりにくかったので誘導しています。
コマ図ではこうなっていますが、こっちから入ってきていますからね。」

でももうSSは終わりましたよね。。。

「まだ開設しているので行ってください!」

本当ですか!?
うわーん、諦めないでよかった〜!(TωT)

こうして私は間に合って、念願のSS5を走ることができました。
もう薄暗くなっていたけれど、集中力はまだ途切れていなかったし、心にはまだ高速を走ってきた勢いがあったので、薄暗闇のダートも怖くありません。
5、4、3、2、1、GO!


SS5はモトクロスコースではなかったけれど(笑)、いろんなことに感謝をしながら走っている間、
「ラリーレイドではどんな場所からでも帰還できないといけません。」
菅原会長の言葉がずっと頭から離れませんでした。

SSを出るとオフィシャルの方が、
「もうゴールまですぐです。気をつけて!」
と声をかけてくださってホッとしたのか、蛍光ペンで塗ってあったにも関わらず反対方向へ曲がってしまいミスコース。
あれ?戻らなきゃ。
とUターンしたら、ここで集中力が途切れたか頭は真っ白。
あれ?私どこから来たんだっけ???
右も左もわからなくなってしまいました。
一応私を心配しているであろうチームのみんなに、SSを無事走れたことと、今迷っていることを電話で伝え、ここでゴール地を聞いてグーグル先生で辿り着こうかとも思いましたが、いや、最後までラリーをしようと思い直していたところへ、2台のバイクが。
なんでもこれから町に給油しにいくところだそう。


そこへスイーパーとして車に乗った春木さんが現れ、この方にガソリンを分けてくれることになり、全員でそのままゴールのキャンプ地へ。


ゴール!
以前、(たしか初回のラリーで、しかもまさにこのキャンプ場で)同じように暗くなってゴールして、安心したのかCRM250を倒してナビ周りを壊してしまったことがあるので、慎重にバイクを降りてエマージェンシー封筒をオフィシャルの方に手渡しました。


最後にいらぬミスコースというオチは付いたものの、でも我ながらよく間に合ったと自分を褒めてあげたいです。
きっと新井さんも喜んでくれることでしょう。
ああ、本当によかった!


タイムマネジメント、給油マネジメント、それから「真実を見抜く力」。
そして「どこからでも必ず帰還すること」。

最初から無理と諦めずに、目標を決めて、そこから逆算して方針を選び、それを完遂するために自分の持つ全てを総動員して、そして達成する。
今日はオンタイムゴールという目標に向かって一点に集中し、それを達成できて、少しだけラリーらしきことができたかなと思います。
(もちろん、問題を解決しながら進むこと以上に、問題を未然に防ぐことがより重要だと思いますが。)


私の帰りを食べずに待っていてくれたチームの皆さんと一緒に夕食会場へ。
ご心配をおかけしました。
そして新井さん、今日はありがとうございました!

---

「もう一つのストーリー @BOSSの場合」

さて、開設と同時にSS-INするために、頼んだカツ丼を食べずにあの食堂を出た@BOSSは…。

@BOSSの記録では、お店を出発した時点で14時8分、コマ図の約250km地点。

高速道路乗り口まで150kmのリエゾン、その後の80kmの高速道路移動、そして、17時30分までにSSにたどり着くことが、この時の@BOSSのミッションでした。

500キロ地点手前の高速出口で給油ができるとブリーフィングで説明がありましたが、その前にどうしても一度給油しないといけない距離ですが、どこで給油するかマネージメントしないと、ガス欠や無駄な給油ストップをもう一度しないといけなくなり、タイムロスにつながってしまいます。

食堂を出た後、昨夜書き出してあった給油ポイントの距離のメモを見ながら、どこで給油するのが一番効率が良いか計算しながら走り、高速出口までギリギリ間に合う場所を選んで、一度だけ給油して先を急いだそうです。

しかし、コマ図のダート個所を書き出さない@BOSSは、突発的に急を要したこの150kmのリエゾン中にあんな長いダートがあることを想定しておらず、高速乗り口までのアベレージを計算しながら進んでいたものの、豪雨の中16kmと20kmと言う長いダートを前に、燃費よりそのアベレージを守るべく鬼のように進んだそうです。

するとダートの途中で突然、ICOのメーターが「ピタリ」と停止。

アップダウンのボタンを押すと距離は変わるけれど、メーターは進みません。
「こんな時に…。」
見ると、マグネットセンサーに何かがヒットして、べろりと曲がってあらぬ方を向いていたそうです。
それを直す時間も惜しい@BOSSは、ちょうど通りかかったシラスさんにカルガモ走行をお願いして、高速の乗り口まで進んだそうです。

ようやく高速道路入り口にたどり着いた時点で、時間は16時30分。
17時30分開設のSSまで、あと1時間以内でたどり着かないといけません。


@BOSSのタンク残量も、あと4.5Lほどしかない状態ですが、高速出口にGSがあることを今朝のブリーフィングで告げられていたので、20km/Lの燃費を信じ、そのまま高速に乗って80km先の出口を目指します。

ですが、通常の走行での燃費が20km/LのKTM450EXC。
高速道路で、できれば120km/hのアベで進みたい@BOSSには、ガス欠の危険がつきまといます。
120km/hなら40分で出口に到着して、SSまで残り約10kmを10分で進めば、17時半までにSSにたどり着ける計算だからです。

しかし、そもそもラリー用のオフタイヤで120km/h巡航は厳しく、また、走ってみるとみるみるガソリンが減って、どう考えても出口までたどり着けそうにありません。

仕方なく90km/h~105km/hほどどのアベレージでガソリンも温存しつつ、1時間以内で到着するように出口を目指します。
なるべく空気抵抗を減らそうと、目いっぱい伏せた姿勢で、半透明のガソリンタンクの残量と距離計を交互に見つめながら。
もちろん途中でリザーブになり、そして1センチ、2センチとガソリンの残量位置も下がっていき、片側のGAS残量が丁度無くなったギリギリで、高速出口に到着。 17時30分だったそうです。

続々と高速を降りるエントラントが、T字路を左に曲がり、オンルートを外れガソリンスタンドに向かって行きます。

「ガソリンスタンド行っても、混雑して、タイムロスするな…。」

そう思った@BOSSは、そこで停まってツールバッグに携行していたガソリン1リッターだけを空のタンクに投入して、ガソリンスタンドには寄らず、コマ図500km地点のSSへ。

SSまで約10km、SSは約7キロ、計17キロ。

1Lのガソリンで、何とか走りきれそうな距離です。
もちろん、最悪の場合はSS中にガス欠もあり得ますが、
「そうなったら自分のマネージメントミスだったと諦めよう!」
と腹をくくってSSへに向かって走って行ったそうです。

とにかく、1秒でも早く、SSにたどり着いてスタートをするために。

@BOSSがSS地点に着いた時には開設予定時刻の17時30分を過ぎて、既に17時45分ころでしたが、なんと!SSはまだ開設されておらず、先に到着していた他の選手もすべて開設を待っていました。

「ラッキー!」

このまま早く並べば、ライバルとイコールコンデイションの明るさでSSを走れます。

が、ここで大失敗。
初日のSSも、その後のSSでも、あれほど並び順を慎重に選んでいた@BOSSなのに、「薄暮」という日暮れの迫る状況に追われ焦っていたのでしょうか。
いつもは必ずCP100の手前で、大方スピードを把握しておいた選手の後ろに並んで、SSの最中に30秒ごとにスタートしている前走者に追いつかないようにしてタイムロスを防いでいるのに、その確認もせずそのまま並んでしまったそうです。
しまった!!と思っても、後続の人に先を譲るほど暗くなってしまいます。

並んで待っているうちに、時間は18時も過ぎ、みるみる暗くなってきています。

加地さんが初日のSSの前で
「追いついてしまうのは仕方がないから、できる限りスパッと抜くしかないですよ」
と言われていたのを思い出し、抜き方もイメージして頭に刷り込んで、覚悟を決めてそのまま当麻のハイスピードSSへ。

そして、結局、このSSで@BOSSは何と!3人の前走者に追いついてしまい、これを抜く羽目に。

もちろん抜くのにも少なからずタイムロスが発生するので、×3倍のロスタイムで9位。
ライバルの南さんや杉村さんとのタイム差を見る限り10~15秒ほど遅れたらしく…。

3日間で稼いだタイム差の貯金は、ここでほぼ失ってしまったと認識したそうです。

Day3を終えた時点でのリザルトです。

一応、この日で目標の6位に到達。

しかし、5位の福岡さんとの差は1分なので上位に大波乱が無い限り、5位以内は圏外。
それより、前走車3人抜きのロスタイムで貯金を失った@BOSSのすぐ後ろには、8秒差の同タイムで杉村さんと南さんが並ぶ結果となり、最終日の最終SSはワンミスで順位を2つ落とす怖い状況で戦いを待つことになりました。

---


夕食後も最終日の明日に備えて、遅くまで整備をする@BOSS。
それを励まし、応援している水上お父さん。

いよいよ明日は最終日。
最後まで気を引き締めて、思い出に残る一日となりますように!

(Day4につづく。)

Day3リザルト

SS4のみ
@BOSS 8位
新井さん 41位
タジー 33位
かまた 68位

SS5のみ
@BOSS 9位
新井さん 50位
タジー 36位
かまた 70位

Day3のみ
@BOSS 8位
新井さん 47位
タジー 33位
かまた 68位

Day3までの総合
@BOSS 6位
新井さん 44位
タジー 34位
かまた 63位

投稿者:かまた  2017年07月27日 19:41

コメント

投稿者:Nori   2017年07月28日 01:09

「事前に十分な情報を収集し、作戦を立て、その通りに戦う。」言葉にするのは簡単でも、それを実行するのは極めて難しく、困難が付きまといます。ガスの管理がうまくいくほど、北海道の給油事情はよろしくないでしょうし。特に、シーズン前ですからね。僕だったら、SSの走り易さを捨ててガス給油してたかも。そして、別の後悔をしてたかもしれません。Day4。ワクワクしながら待ちます。

投稿者:かまた   2017年07月28日 14:39

>Noriさん

つべこべ言ってないで
Noriさんも一度出てみましょうよ〜!(笑)

投稿者:hayashi   2017年07月28日 16:00

#37です. 今になって,楽しい時間がじわじわと浮き上がってきています.
Day3,雨,楽しかったですね. 実はのんびり独りで走っていました.
「間に合わないですよ!」.ひりひりした鎌田さん.
またまた~.なんて思っていました.
 雨の林道はきれいでしたねー,林道がすごく遅いなんて,そんなこと無かったですよ~.

投稿者:青鬼   2017年07月28日 23:06

何はともあれ、ブログを更新できることが完走されたあかしなんですね。私にはまだスタートラインにもたっていませんが…
スイーパーを仰せつかっていた頃が懐かしいです。Day4楽しみにしております。

投稿者:かまた   2017年07月31日 16:01

>hayashiさん

北海道ではお世話になりました!
そう言われてみると雨の林道は、清々しくて、しっとりしていて、静かでとてもきれいでしたっけ。
前を走るhayashiさんの小さくなるテールランプを追いかけながら走ったあの20kmは、とても不思議な時間として私の中に刻まれました。
たぶん今回の北4でのマイ・メイン・メモリーです^_^

投稿者:かまた   2017年07月31日 16:11

>青鬼さん

スイーパーをなさっていたこともあったんですね。
あれが近くに見えただけで焦ります^^;
Day4に取り掛かかる前に、ルーキーズクロスで使い果たした体力を回復させねば!
というわけで、今夜は焼肉です!笑

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