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2019年08月29日

北海道4days 2019 Day4

【Day4】7月15日 弟子屈〜トマム〜芦別


Photo : 畠山カメラマン
私たちは最終日だというのにまだ遥か道東地方にいます。だからこの日は、SSを走った後は高速道路で移動しないと表彰式に間に合いません。「ラリーガストンライエ」の選手には、それほど長くは感じないかもしれませんが…。この高速道の区間にはGSが無いので注意してください。トマムICで一般道路に下りてからは、またダートが続きます。最後まで気を抜かず、安全運転であなたのラリーを仕上げてください。
(SSER公式サイト ルートインフォメーションより)

******
最終日はテントを叩く雨の音ではなく、鳥のさえずりで目を覚ましました。


「ごはんまだでつか?」
と顔を覗かせるウトロン。
もうちょっと待っててね、今シュラフを片付けるから。


朝5時、朝もやのテントサイト。
晴れてはいないけど、降っていないだけでも本当にありがたいことです。(実感)


Day4の朝食は「のり弁」。
ちくわの青のりが香りよくて、ごはんも暖かくて、とても美味しかったです!
梅干しが疲れ始めた体に沁みました。


Photo : SSER
昨日の件についての公式通知が貼り出されたようです。

【公式通知】
「DAY-3 CP-1、CP-2、MAX TIME、SS-7について」
リエゾンにおいて、降雨によるコースコンディションの悪化により走行が困難となり長大な遅延が発生し、CP-1以降のタイムスケジュールに支障をきたしました。
よって、下記の通りとします。
●SS-7
   関係各所との取り決めから開設時間に制限があり、
   開設時間内に通過できたエントラントは全体の半数以下でした。
   この為、SS-7は不成立とみなし、SSキャンセルとします。
●CP-1、CP-2 開設時間を延長します。
   CP-1   9:30〜13:30
   CP-2 12:30〜16:30
●MAX TIMEを延長し13.0hrとします。

数秒単位での順位争いに凌ぎを削るトップグループの方には、SS-7のキャンセルは残念かもしれませんが、あの難所が続くエリアで他のライダーのサポートにまわり遅くなった方、時間が押しても途中でエマージェンシー封筒を開けることなく、諦めずに最後までゴールを目指した方にとっては、嬉しい救済処置となりました。


Photo : 畠山カメラマン
ブリーフィングが終わって、


パルクフェルメ開放。
浅見さん、いよいよ最終日ですね。


セローはガタついていたICOのステーをある程度固定補強したので、今日は(おそらく)大丈夫でしょう。
グランドゴール目指して、最後までよろしく!

最終日は距離も短く、スタート前の準備もいつもより和やかな雰囲気です。


昨日までの3日間、どしゃぶり続きでスタート前に写真を撮ることもできなかった皆さんも、ようやくマシンの撮影をする余裕が。


Day3の難所では最後までサポートに徹した「チームTRSハムプラス君」の柳井さんと君島さんも疲れはとれたのか元気そうでなにより。
昨日は本当にありがとうございました。
最後までよろしくお願いします!


@BOSSは手術後の足の傷が少し膿んでジュクジュクしてきたようですが、あと一日、もうひと頑張りです!

(お見苦しい写真ですみません↓)

今年の5月末に昨年骨折した脛のプレートを外す手術をして、そこから約一か月半。
実は@BOSSは、毎日ビバークに戻ると、連日の雨で足がふやけ、ブーツの中のソックスが乾いた血で傷口とくっついて、それを顔をしかめながら剥がしているような状態でした。
SS中は集中力で痛みを忘れても、リエゾンではシフトアップの度にその傷が疼いて、50ccキッズのモトクロスライダーのように膝から足を持ち上げてシフトチェンジをしてそうです。
それでもこうしてラリーに再び出場して、ライバルたちとタイムを競い、順位を争う場に身を置いていることに、心から幸せを感じて楽しんでいるようでした。

さて。

私もマシンに最終日のマップを巻いたケースを取り付けていると、山田実行委員長がやってこられて、すれ違いざまにあの低〜い声で、

「完走だねぇ。」

とぼそりひと言。
きっと湯布院3daysでの最終日の崖落ちリタイアのことがあったので、声をかけてくださったのだと思いますが、なんなのでしょう、このすごいプレッシャーわ…( ̄∀ ̄;)汗


@BOSS、最終日スタート!


Photo : SSER
行ってらっしゃい!


かまた、最終日スタート!


Photo : SSER
行ってきます!

朝イチのSSは、昨日のSS-7の繰り返し。
SSはビバークからほんの14kmしか離れていないのに、厚木ハム嶋崎さんを道連れに林道内でミスコース!
SS-INに着いた時には後ろから2番目でした。
どーして私って・゚・(ノД`)ヽ


この最後のSS、@BOSSは、またまた驚くほど悪いタイム&順位でした。
聞くと、前日の難所越えの関係でこのキャンセルになったSSを走っていなかった@BOSSは、走った人たちから、
「チュルチュルでヤバい林道!」
「ちょっと攻めると、フロントが滑って転倒してしまう!」
「俺も転倒した!」
という話をたくさん聞き、これはかなり滑ると予測して慎重にSSをスタート。
(SSスタート時も、実行委員長の山田さんに「スタート地点、掘らないようにしてね。」と釘を刺されたそうで。)
その結果、いくつかのコーナーを曲がるまで、それはそれは丁寧にコーナーリングするも、心配したようなチュルチュルではなく、滑って転ぶような心配もいらない路面だと気づいたころには後の祭り。
「滑らないじゃんか!」と慌てて攻め始めたそうですが、今回の大会で@BOSSにとってワーストな31位と大きくタイムロス。
ビッグオフでも総合は20位以内という目標を叶えられそうな19位から、21位まで順位を落としてしまいました。



Photo : 畠山カメラマン
前日ここを走っていた私は、チュルチュルの黒土にだけ気をつけて無事こなし、このSSはベストの43位!
日に日にSSの順位が上がっていくのは目や気持ちが慣れていくからかと思いますが、北4があと10日くらいあったらSSで30位に入れるかも!(あり得ません。笑)
さあ、あとはCPを目指して長いリエゾンへGO!


給油のために入ったガソリンスタンドに菅原会長がいらっしゃいました。
「あれ?遅かったねえ。」
はあ、ちょっとSS前にミスコースしまして…
「ミスコースゥ???」
と苦笑されました^^;;;

そこからしばらく、足寄の峠を越えるまでは、菅原会長の背中を見て走ることになりました。
偶然とは言え、ラリーで菅原会長の後ろを走るなんて初めてです。

不思議なご縁でラリーマシン「SUGAWARAセロー」を譲って頂いたのが2009年。
それからも、アトラス君ステッカーを付けてダカールやモンゴル、シルクウェイラリーを走ってくださったりと、事あるごとに暖かい激励を頂きました。
78才という年齢で、こうしてラリーに(しかもご自分でトランポを運転して)参加されることも驚きますが、菅原会長を見ると、逆に「年齢」ってなんだろうと思ってしまいます。


Photo : SSER アトラス君ステッカーを貼ってくださったジムニーでモンゴルを走る菅原会長
この8月、北4に続いて、今度はジムニーで「ラリーモンゴリア」に出場された菅原会長。
残念ながらマシントラブルでリタイアとなったそうですが、その時の様子を綴ったSSER公式サイトの「菅原さんからの手紙 No.256」の締めくくりに、

「ラリーは非日常の連続です。楽しくてなかなかやめられません。」

とあったのを読んで、この方はまさに「鉄人」なのだと感じました。


***

ルートインフォメーションや朝のブリーフィングでもあったように、芦別まで帰らなくてはならない今日、ルートマップは途中から高速道路に。

高速道路を走っていると、雲の切れ間から青空が見えてきました。
4日ぶりとなる太陽の光も!
走りながら、この4日間に起きた出来事を思い返していました。
雨ばかりだったし、景色もほとんど見ることができなかったけど、忘れられない体験をたくさんさせて頂いた今回の北4。

あとはもう帰るだけなんて淋しいな。
いや、いかん、いかん。
ここで気を抜いちゃいけない。

高速の途中で路肩にバイクを停めている長谷見さんを見ました。
どうなさったんだろう、故障でしょうか。


高速を降りて林道に入ったところで、11:40にCP到着。



さあ、あとはもう本当に芦別に帰るだけです。


Photo : SSER
4日目にして、ようやく北海道らしい景色を見ることができました。


かまた、グランドゴール!


早坂さんと新堀さんがゲートで待ち構えてゴール写真を撮ってくださいました。
ただいま!帰ってきました!


マシンはパルクフェルメへ。
パルクフェルメ担当のオフシャルyasupaさんにまで、写真をお願いしてしまってすみません!!!
でもありがとうございます!


ウトロン、ただいま!
いつもよりずっと早い時間に私達がぞくぞく帰ってくるので、喜びに駆け回るウトロン。


ゴール後の豪華なお弁当。
デザートは芦別名物のサクランボとメロン。
いただきます!

ああ、終わったんだなあ。


【閉会式】


Photo : 畠山カメラマン
第1回ラリー・ガストン・ライエの表彰から。
3位は福岡さん、2位篠原さん、そして並みいるBIGOFFを制したのは、なんとVストリームで参加の尾林さんです!


Photo : 畠山カメラマン
昨年、ライダーにとっては致命的とも言える病気を患ってラリーやレースから一時遠のき、苦しく辛いリハビリを乗り越えて、今回の盾を手にした篠原さん。
その篠原さんの、
「今日、高速を走っていて雲の切れ間から青空が見えた時、自分の境遇と重ね合わせて、『ああ、あがらない雨は無いな』って思いながら、ゴーグルの中で涙が溢れてしかたありませんでした。」
というコメントには、聞いている私も涙が溢れてきました。
篠原さん、おめでとうございます!そしてお帰りなさい!


Photo : 畠山カメラマン
チーム優勝は「チームミサキング」の皆さん。
おめでとうございます!


ちなみに「チームウトロンwithアトラスネット」はまたもや2位でした^^;
(あれ?ナックさんの名前が無いですね??)

その後は一人ひとり、順番に名前を呼ばれて、壇上で一言コメント。
後半は40番台からということで、ワタクシかまたは自分でもびっくりの41位ですぐ呼ばれ、舞い上がってしまい、コメントを言ったあとに壇上から降りるタイミングもわからなってそのまま壇のすみに突っ立っていたという。。。バカー・゚・(ノД`)ヽ

ああ、それにしても、ラリーにタラレバはないけれど、初日のSSでもうちょっと頑張ったら、憧れの30番台に手が届いたかもと思うと反省しきりです。
いや、シラスさんの言う通り、へんな欲は出さないでおきましょう^^;


@BOSSは総合21位。(ラリー・ガストン・ライエ5位)


その@BOSSのコメント。
「今回出場するに当たって、いつものようにKTM450にするか、それともせっかくの第1回ラリー・ガストン・ライエなのだから1200GSにするか迷っていました。
もうエントリー締切が迫ったある朝、寝起きでYoutubeを眺めていた時に、偶然山田さんとガストン・ライエさんのメモリアル動画を見つけました。
その中で、お二人が和室の座卓に並んで腰掛けて何かを話している様子を見て、その二つの背中から、お二人がどれほど深い絆で繋がっていたのか、どんなに仲が良かったのか、ガストンさんが逝ってしまってどんなに山田さんが淋しいか、そしてどんな思いで今回の『ラリー・ガストン・ライエ』を開催されたのかを思った時、よし、1200GSで出よう!と決めました。」

これ↓が@BOSSがYoutubeで見たという「ガストン・ライエメモリアル」の動画です。



そしてその中で、@BOSSが涙したという、山田実行委員長とガストン・ライエ氏が座卓に座って話しているシーン。


Photo : 畠山カメラマン
「GS-Rallyeでは、たった3回しか林道を走らないままエントリーしましたが、今回の北海道は、春木さんが新たに本当に素晴らしいルートを加えて下さり、素晴らしい経験をさせて頂きました。
来年もたぶんGSで出るんじゃないかなと思います!」


最後に全員で記念撮影。
オフィシャルの皆様、エントラントの皆様、そして応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!


全員の表彰が終わってから、最後に長谷見さんの名前が呼ばれました。
「みんなはいいよね、メダルがあって。僕なんか何にもないんだから。笑」
と笑いを取られていましたが、なんでも、最後の高速でムースが溶け、走行不能のリタイアとなってしまったのだそうです。
あの長谷見さんですら、最後の最後まで何があるかわからないラリー。
長谷見さんが次回リベンジに燃えて、さらなる闘志を燃やして再挑戦されるであろうことは想像に難くありません^_^

最終 リザルト


【エピローグ】


閉会式が終わって外へ出ると、谷さんがウトロンと太郎丸ちゃんを、ドッグトレーナーさながらに散歩させてくださっていました。
最後までありがとうございます^^;


北4が終わって家に戻るとすぐに会陰ヘルニアの手術が待っているウトロンに、橋本先生がお守りを買っていてくださいました。
かわいい。ありがとうございます。
きっと手術は成功します^_^


この夜は、同じ時期にお仕事で北海道に来られた三好さんが買ってきてくださったお土産のカニを囲んで、パドックテントの下で打ち上げ。

篠原さんから、想像を絶する闘病生活とリハビリ、そして復活までのお話をお聞きしたり、また、行きのフェリーで麻生さんから伺ったエピソードを斉木裕可ちゃんご本人に伝えて、また涙、涙だったり。

あれ?そう言えば哲さんは?
もう部屋で寝てる?
起こしてきましょうか?
あ、そーですか、いいですか。
でもせっかくなのにもったいない。
・・・ま、いっか。疲れているんでしょうしね^_^

でも、この時にしか会えない方たちとの、お互いの心の扉が開くこうした時間は、やっぱり人生の宝物だと思います。
(だからやっぱり哲さんを起こしに行けばよかったかなとちょっと後悔。)

ラリーを走っている間だけではわからない「人となり」。
スタート地点にたどり着くまでの挑戦、葛藤。
実際に聞かなければわからない、隠れたたくさんの感動的なエピソード。
いろんな思いが交差してつながり、共感しあって、尊敬・信頼が生まれるこうした時間。
ああ、ラリーっていいな、仲間っていいな、と改めて実感した夜でした。

皆さん、ありがとうございました。


【Day5】7月16日小樽〜新潟

一夜明けて。


名残は尽きませんが、ラリーという特別な空間から、またそれぞれの生活に戻る時がきました。
最後に記念撮影。


フェリーの出港まで時間がたっぷりあるので、のんびりとトランポへの積み込み作業をしたあとは、みんなで小樽観光へ。


小樽運河をそぞろ歩いて、


「サンタのヒゲ」の小樽支店へ。


自称スイーツ王子(おんじ)が難しい顔で本店と味を比べています。
でもこれで悔いなく北海道を後にできるでしょう。笑


昨日の夜、打ち上げのパドックテントで、亡きお父様(故・A-TEC斉木校長)やラリーでの忘れられないエピソードを、涙ながらに語ってくれた裕可ちゃん。
この日は私達の片付けの手伝いから小樽観光まで、ずっと付き合ってくれました。
そんな彼女ともここでお別れ。
楽しくて豊かな時間をありがとうございました。
足が完治したら、ぜひまたラリーでご一緒しましょう!


17時、新日本海フェリー出港。

さようなら、そして素晴らしい思い出をありがとう、北海道。


と思いながらSAPPORO CLASSICを飲んでいるのであろうシラスさん。笑


帰りはMOTO WORKS麻生さんだけでなく、菅原会長も同じフェリーでいらっしゃいました。
お夕食をご一緒させて頂き、


ダカール・ラリーのお話、そして、菅原会長が日本事務局を開設された「アフリカエコレース」のお話をお聞きしました。
菅原会長の挑戦は続きます。
すごいとしか言いようがありません。


最後の夕陽が海に沈みます。
明日の朝には新潟です。

今度こそ、「さようなら、そして素晴らしい思い出をありがとう、北海道。」


完走賞のメダル。

私はあと何回ラリーに挑戦できるのかわかりませんが、永遠でないことは確かです。
ウトロンと一緒に参加できるラリーもきっとあと数年。
だからこそ、一回一回、出会う方々と共有するエピソードを、人生の宝物として大切にしていきたいと思います。

たった4日間でしかないのに、強烈な思い出を刻んだ北海道4days2019。
ご一緒頂いた皆様、オフィシャルの皆様、本当にありがとうございました。

そして拙いレポートを最後までお読みいただいた皆様、ありがとうございました。

私もようやく左手首のビザバンドを切りはずして、次のラリーへ進みます。

投稿者:かまた  2019年08月29日 16:57

コメント

投稿者:朝霧   2019年09月04日 17:11

はじめまして。
なんとなく通りかかりましたらアトラスオリエントラリーの文字に引っかかりました。記事にコメントできなかったのでこちらにコメントさせていただきました。
当時の元参加者です。嫁はセローで参加、私はKX220SRでした。
レイドカムロやTBIとか全盛の時代でしたね。
懐かしいです。

投稿者:かまた   2019年09月05日 19:49

>朝霧さま

はじめまして。
でも実際にはアトラスオリエントラリーでお会いしているんですよね^_^

AOR当時、私はバイクにもラリーにも縁がないままスタッフをしていたので、エントラントの皆さまとはほとんど面識がなく、エントリーリストが載っていたパンフレットを必死で探し出しました。笑
YMさんですね。懐かしいコメントをありがとうございます。

もしまた新潟でラリーを開催する機会がありましたら、ぜひご夫婦でご参加ください!*\(^o^)/*

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