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2020年09月30日
認知症のヨーダ婆と3匹の子ヤギ
「おれ、生まれ変わるならヤギがいいな」
秋の景色を眺めながら、助手席のヨーダ婆がそうつぶやきました。
思わず吹き出しながら、「ヤギ? どうして?」と聞くと、
「だって可愛いし、可愛がってもらえるし。」
なんだか童話を読んでいるような錯覚を覚えました。
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ヤギ日記のブログを立ち上げて間もないのに、夏からすっかり更新が滞ってしまったのは、
突然、ヨーダ婆がアルツハイマー型認知症になってしまったからです。
それまで、一人暮らしで自分のことは全部自分でしていた(はずの)ヨーダ婆が、まさかボケ始めるとは!
まさに青天の霹靂でした。
ヨーダ婆の認知症を発見したのは、奇しくも今井明夫さんのところに子ヤギを迎えに行った日。
子ヤギを連れて帰ったものの、様子がおかしくうつろはヨーダ婆を一人暮らしの家に戻すわけには行かず、3匹の子ヤギとの同居と同時に、
そのまま認知症のヨーダ婆との同居が始まりました。
その後、これに加えて、ウトロンの後ろ足が立たなくなるというW介護生活が始まり。。。
最初の頃は慣れない認知症介護の生活に、それはそれはバタバタしていましたが、今はかなり生活サイクルもできてきて、こうしてブログを更新する余裕もできてきました。
認知症になったヨーダ婆は、短期記憶がまったくダメになりましたが、
ノンノ、ポッケ、イチゴの名前はきちんと覚えて、毎朝ヤギ小屋の掃除を手伝ってくれます。
掃き掃除はもちろん、
もみ殻に落ちたウンチを集めたバケツを堆肥の場所まで運んだり、
子ヤギ達が大好きな小豆を刈り取ってあげたり、
100均のミニ熊手で、子ヤギのマッサージまでしてくれます。笑
まだ放牧場の柵ができないので、週末はリードを付けて子ヤギをお散歩させるのですが、この時も一番おとなしいポッケを引くのはヨーダ婆。
(どちらが引かれているかは微妙ですが。笑)
『アニマルセラピー』(動物介在療法)という治療法がありますが、そんな大仰なくくりでなくても、ヨーダ婆が、
「ノンノや。うんめーか?」
「ポッケ、ほらおいで。」
「イチゴ、そっか、お前イチゴだか。」
そう話しかけながら、この可愛らしい小さな命たちとのふれ合いに、心を平らかにしているのは確かなようです。
自分よりも弱いもの、自分が世話をしてあげなくてはいけないもの達がそばにいることで、自分がしっかりしなくては!という気持ちになるというセラピーの効能はもちろんだとは思いますが、ヨーダ婆の場合、もっと根本的な次元で、この白くて柔らかくて優しい生き物がいつもそばにいることの楽しさが、幸せに直結しているのかもしれません。
それが冒頭の、
「おれ、生まれ変わるならヤギがいいな。」
という言葉につながっているのだと思います。
認知症は今よりも良くなることはなく、あとは進行をどれだけ遅らせることができるかです、と病院で言われましたが、
認知症が始まったばかりの8月の、あの何も映さなかったヨーダ婆の目や、うつろだった表情は、
今あきらかに優しくなり、話す内容もしっかりとする瞬間が増えてきました。
というわけでヤギ日記には、「ヤギに生まれ変わりたい」というヨーダ婆と子ヤギたちとのふれ合いも時々書いていこうと思います^_^
投稿者:かまたちゃん 2020年09月30日 21:48