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2021年06月17日

絵本に導かれ、「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」へ


去年の雪降前、ヨーダ婆とふたりで、十日町市にある『鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」に行って来ました。

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「たのしいお手紙ありがとう」

という言葉で始まった直筆のお手紙。
ポストに入った大きな封筒の差出人を見たらびっくり!
絵本作家の田島征三先生よりまさかのお返事を頂いたのは、ファンレターを出してすぐのことでした。

楽しいお手紙ありがとう
やぎをかうのはいろいろ大変なことも多いのに3匹も!
大変ではありませんか!
子を産ませたり乳しぼりも考えていますか?
お義母さんもお世話しながら・・・
でも小屋のそうじは大切です
小屋が清潔かどうかはミルクのあじにも出ます

『やぎのしずかシリーズ』は1973年から
月刊誌に連さいしたものを
1975年 文化出版局から出版され、
ぼくのわがままで一度絶版
1980年代に入ってから偕成社からだしてもらった
ドキュメンタリー絵本です

(田島先生のお手紙から抜粋)

*****


去年の夏、ヤギの先生、今井明夫さんにお世話頂き3頭の子ヤギを飼い始めて間もない頃、「全国山羊ネットワーク」の会報誌『ヤギの友』42号を頂きました。
その裏表紙にあるイラストを指差して、「ほら、これは田島征三さんの絵なんですよ。」と言われた時は、恥ずかしながらそれが誰なのか、さっぱりわからない私でした。


その後、ひょんなことから田島先生の絵本『やぎのしずかシリーズ』を知り、シリーズ第一作目の『こやぎがやってきた』を買って読んでみると、「これはヤギを飼ったことのある人にしか描けない絵本だ!」と大ファンに。
素朴な絵も大好きで、すぐに全巻を揃えました。

奇しくも子ヤギがやってきたその日に認知症を発症し、一緒に住むことになった通称ヨーダ婆(89歳)にも読み聞かせ、やぎのしずかがちゃぶ台の上でバーッとウンチをしてしまうシーンには揃って揃って大笑い。
こんなふうに二人でやぎの絵本を楽しむ機会を与えて頂いたことにどうしてもお礼が言いたくて、田島先生にお手紙を書いて出版社宛に送ったところ、思いもよらないお返事を頂いたのでした。


これがそのちゃぶ台でバーッ!のシーン。大好き!

田島先生からのお手紙は『絵本と木の実の美術館』のカフェでランチョンマットとして使っているという紙の裏にボールペンで書いてありました。
新潟に住んでいる私の手紙の中で、この美術館のことに触れていなかったので、もしかしたら知らないのかも、とパンフレットも同封してくださり、冬は休館になると教えて頂いたので、善は急げですぐに行ってみることに。
だって、翌年の春まで待った時、高齢のヨーダ婆と一緒に行けるとは限らないので…。

というわけで、美術館を訪ねたのは2020年の冬期休館となる3日前。
まさにギリギリセーフでした。


いたるところにヤギのオブジェが。
絵本を読んだことがなくても、ヤギ飼いにとっては歩いているだけで嬉しくなります。


ここにもヤギ。これはしずかとその子どもでしょうか。
うちの玄関にもほしいな。笑


入った途端に圧巻された体育館。
受付をされていたスタッフの方に撮って頂いた思い出の一枚。

この美術館、ご存知の方も多いと思いますが(知らなかったのは私だけかも…^^;)、廃校となった小学校を使って田島先生の世界観を形にした「空間絵本」という体験型の美術館で、「やぎのしずかシリーズ」以外に何の予備知識も持たずに行った私は、見るもの見るもの「うわー!」と驚かされました。


足の悪いヨーダ婆は美術館を歩けるかな?内容がわかるかな?と少し心配でしたが、「空間絵本」の名の通り、何の説明も注釈も不要で、ひとつひとつの部屋をゆっくりと歩きながら、それはそれは楽しんでいました。
もちろん私も。
絵本を一緒に読んでいた時のように、始終びっくりワクワクしどおしでした。


思い出を食べるオバケ、トペラトトがあちこちに。
半分子ども帰りしているヨーダ婆には、どんなふうに見えるのでしょう。


圧倒される木の実の絵。
これ、ぜ〜んぶ本物の木の実をひと粒ひと粒、和紙に挿して作っています。
気の遠くなるような作業です。。。


私のお気に入りはやっぱりコレ!やぎのしずかのフンがバーッ!


実際のやぎのしずかがかじったというヌルデの木の枝も飾られているビオトープ。

『鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館』は、新潟県の中でも特に雪深い十日町の山の中、「鉢(はち)」という集落にあります。
ここで廃校となった小学校が、集落の方々と最後の在校生、そして絵本作家の田島征三さんの手作業によって、体験型の『空間絵本』として生まれ変わった美術館です。
詳しい説明はホームページやパンフレットに譲りますが、何の予備知識もなく訪れても、子どもに帰ったような楽しい時間を過ごせます。
さらに、ヤギを飼っている方や、絵本を読んだ方なら、きっとなおのこと。
行った私が保証します!笑


田島先生の絵本を置いたコーナー。
本棚にトペラトトが隠れているのが可愛い^_^
(現在は更にレイアウトが変わっているようです。)


ヨーダ婆もとても楽しかったらしく、美術館の売店でやぎのしずかのマスコットを買って
さっそくかばんに着けていました。

*****


ただいま!
美術館から帰ってきて、田島先生の絵本『やぎのしずかシリーズ』を読み返したら、以前よりもっとお話が身近になり、しずかにまつわるエピソードのひとつひとつに親しみを感じられました。
そして、わが家の3匹のしずか達、ノンノ、ポッケ、イチゴにも^_^

そうそう、美術館で飼われている本物の「やぎのしずか」は、私たちが行った11月の末にはすでに冬期の引っ越しをしていて残念ながら会えませんでしたが、後から聞いたら、冬の間は私の家から車で10分のヤギの先生、今井明夫さんのお宅で預かってもらっているのだそう。
なーんだ、そうだったんですね。笑


今年の春、今井さんのところにまたまた遊びに行かせてもらいましたが、この中にはまだしずかの子どもいませんでした。
残念!


でも搾りたてのヤギ乳をごちそうになりました。笑

そして先日、この春に生まれたしずかの子どもが美術館に戻り、田島先生が「いちごぱんだ」と名付けたというニュースをFBで読みました。
いちごぱんだ!
なんて可愛い名前!笑

*****

前略 田島征三先生

思いがけないお返事と、美術館へのご案内を本当にありがとうございました。
ヨーダ婆と二人、素敵な思い出を作らせて頂きました。
ヨーダ婆は今食べたものも忘れる認知症ですが、あの日のことは今でもちゃんと覚えています。
トペラトトに思い出を食べられないうちに、春になったらもう一度、今度は家族全員で行ってみます!

かまたいくよ

投稿者:かまたちゃん   2021年06月17日 21:28

コメント

投稿者:ちゃべ母   2021年06月24日 04:53

とっても良いお話だわ。
山羊のフンで出来ている絵が笑えるけれど
なんとも洒落ているなぁー

ウトロちゃんが山羊を飼ってから
結構色々な人が山羊を飼っていると知りました。
前に{山羊より羊が好き。山羊の目が怖い」と
書いてしまったけれど、こりゃ間違いでしたわ。(;^ω^)
何とも愛くるしい山羊達。
ウトロちゃんが載せる
山羊達の画像に癒されている今日この頃です。

投稿者:かまた(ウトロ)   2021年06月24日 09:40

>ちゃべ母さま

田島征三先生の絵本「やぎのしずか」シリーズは、そのエピソードも田舎のヤギライフあるあるで、すご〜く身近に感じます。
(ヤギのフンにまつわるお話は特に。笑)
機会があったらぜひ読んでみてください^_^

コロナ騒動がもう少し収まったら、今度は本当にうちのヤギ達に会いに来てくださいね〜*\(^o^)/*

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